さびる

さびる
I
さびる
(接尾)
〔動詞上一段型活用 〕
名詞に付いて, そのものらしく振る舞う, そのものらしくなる意を表す。

「神~・びる」「翁~・ぶ」「天地(アメツチ)の分れし時ゆ神~・びて高く貴き駿河なる富士の高嶺を/万葉 317」

II
さびる【寂びる・荒びる】
〔「錆(サ)びる」と同源〕
(1)古くなって新鮮でなくなったり, 色があせたりする。

「人し汲まねば水~・びにけり/神楽歌」「夕づく日色~・びまさる草の下に/玉葉(秋上)」

(2)古くなって, 荒れ果てる。 また, 長いこと使われずに放置されて趣や渋みが出る。 時代がつく。 古色蒼然とする。

「邸(ヤシキ)の内も~・びぬ/自然と人生(蘆花)」「岩に苔むして~・びたる所なりければ/平家(灌頂)」

(3)人けがなくなってさびしくなる。 さびれる。

「都会ながらにいと~・びたり/慨世士伝(逍遥)」「宿~・びて庭に木の葉の積るより人待つ虫も声弱るなり/秋篠月清集」

(4)心さびしい思いをする。

「まそ鏡見飽かぬ君に後れてや朝夕(アシタユフヘ)に~・びつつ居らむ/万葉 572」

III
さびる【寂る・荒びる】
IV
さびる【錆びる】
〔「寂びる」と同源〕
(1)金属の表面が酸化してさびができる。

「真っ赤に~・びたナイフ」

(2)声に渋みを帯びる。

「室(ヘヤ)から, 『お兼何だい?』と~・びた女の声/魔風恋風(天外)」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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